【30代の遺言書】子育て世代に遺言が必要な理由を行政書士が解説

なぜ子育て世代に遺言が必要?
子どもが生まれて学資保険を検討中の30代ご夫婦へ。
もしもの時、未成年の子がいると相続手続きで「家庭裁判所(特別代理人)」の煩雑な手続きが必要になります。
法律事務所のパラリーガルを本業とする育休中行政書士が、家族を救う「遺言書」の必要性をわかりやすく解説します。
こんにちは。我孫子市の相続専門女性行政書士の小松悠莉です。
行政書士と同時に、法律事務所でパラリーガル(弁護士のサポート業務)をしており、日々さまざまな法律トラブルの現場に立ち会っています。そしてプライベートでは、4月に出産し、絶賛育児に奮闘中の親でもあります。
赤ちゃんが生まれると、親として真っ先に考えるのが「お金の備え」ですよね。
「学資保険はどうしよう?」「NISAで教育資金を積み立てようかな」と、我が子の未来のために一生懸命調べている方はとても多いと思います。
でも、少しだけ立ち止まって考えてみてください。
「もし今、夫婦のどちらかに万が一のことがあったら、残された家族の手続きはどうなるのか」を具体的に想像したことはありますか?
「うちはまだ30代だし、遺言書なんて高齢者の話」 「遺産と言えるほどの財産(マイホームと少しの貯金だけ)もないから関係ない」
そう思っているあなたにこそ、実は「今すぐ遺言書を書いておくべき、法律上の重大な理由」があります。
今回は、法律事務所のリアルな現場と、現在育休中の行政書士という2つの視点から、その盲点をわかりやすく解説します!
1. 夫婦のどちらかに万が一のことがあったら、残された側を襲う「口座凍結」
「もし私(夫・妻)に何かあっても、預金口座やマイホームは当然、配偶者と子どもが引き継ぐんだから問題ないよね」
そう思われがちですが、法律上の手続きはそこまでシンプルではありません。
人が亡くなると、その人の名義の銀行口座は凍結されます。
これを解除して、お金を引き出したり名義を変更したりするためには、「遺産分割協議(誰がどの財産をもらうかの話し合い)」をして、相続人全員が合意しなければなりません。
この「話し合い」が、まだ子どもが小さい子育て世代にとっては、法律上非常に高いハードルになるのです。
2. 子どもが未成年の場合、遺産分割協議に「特別代理人」が必要になるって知ってた?
「相続人は私と子どもだけなんだから、話し合いなんて身内ですぐに終わるはず」 実は、ここに最大の法律上の罠があります。
子どもが未成年の場合、子ども自身は法律上の話し合い(遺産分割協議)を自分で行うことができません。
通常、未成年の子どもの代理人は親(親権者)ですが、今回の相続においては「親と子どもで遺産を取り合う関係(利益相反)」になってしまいます。
そのため、親が子どもの代理人になることは法律上許されません。
ではどうするかというと、家庭裁判所に申立をして、子どもの代わりに話し合いに参加する「特別代理人」を選んでもらう必要があるのです。
特別代理人についてQ&A
Q 特別代理人には誰がなるの?
A 特別代理人には、利害関係の無い親族(叔父や叔母など)又は弁護士や司法書士などの専門家が就任することが多いです。
Q どうやって特別代理人を選任するの?
A 子の住所地の家庭裁判所へ申立をします。
裁判所HPにて、必要書類等詳細が確認できます。
なお、申立の代理は弁護士、司法書士の業務範囲となります。
行政書士しらゆり事務所では、戸籍収集や遺産分割協議書の作成などでサポートさせていただきます。
Q 子供が2人以上いる場合、特別代理人は1人でいい?
A いいえ。子が複数いる場合は子ごとに別の特別代理人が必要です。
Q 相続人が自分(配偶者)と子だけで、法定相続分通りに遺産分割する場合は不要?
A いいえ。遺産分割協議書の作成が利益相反行為にあたりますので、特別代理人の選任が必要です。
特別代理人が入ることで生じる「3つの壁」
- 手間と時間がかかる: 家庭裁判所に申立書類を出し、認められるまでに数週間〜数ヶ月かかります。その間、夫(妻)の銀行口座は凍結されたままです。
- 家庭裁判所の手続きが煩雑: 幼い子どもを抱え、ただでさえ精神的に辛い時期に、裁判所に提出する書類(遺産分割協議書の案など)を作成しなければなりません。
- 柔軟な遺産分割が難しくなる: 特別代理人は「子どもの権利(法定相続分)」を守る立場です。そのため、「今後の生活費や子どもの教育費に使うから、今回はすべて妻(夫)が相続する」という柔軟な分け方が認められにくくなり、原則として子どもにもきっちり財産を分ける内容にしなければならなくなります。
3. 育休中の行政書士ママが断言:子育て世代こそ、1枚の遺言書が家族を救う
この「家庭裁判所の面倒な手続き」を完全にスキップし、残された家族の負担をゼロにする魔法のような方法があります。
それが、「遺言書」を残しておくことです。
遺言書に「すべての財産を妻(夫)に相続させる」と一言書いておくだけで、遺産分割協議(話し合い)をする必要がなくなります。
つまり、家庭裁判所に特別代理人を選んでもらう必要も一切なくなり、残された配偶者はスムーズに預金の解約やマイホームの名義変更を進めることができるのです。
「遺言書」は、お金持ちが書くものではありません。
「残された大切な家族を、面倒な法律手続きから守るためのラブレター」なのです。
4. 【まとめ】まずはスマホのメモから!平日に動けない共働き夫婦の味方になります
「遺言書が必要な理由はわかったけれど、どうやって書けばいいの?」 「公証役場に行く時間なんて、育児中はとても作れない!」
そう思われるのも当然です。小さいお子さんがいると、毎日のお世話だけで、1日はあっという間に過ぎてしまいますよね。
でも、安心してください。 遺言書にはいくつか種類があり、必ずしも最初から完璧なものを公証役場で作る必要はありません。
まずはもしもの事態を想定し、スマホのメモ帳に「何かあったら、こうしてほしい」と書き留めるだけでも、大切な第一歩です。
現在、私も育児の真っ最中。 身軽に動けない大変さは、痛いほどよく分かります。
もし、「我が家の場合はどんな遺言を書いておけば安心?」「育児の合間にサクッと準備する方法が知りたい」と思われたら、どうぞお気軽に私にご相談ください。
🎁 公式LINEにて「子育て世代のサクッと遺言相談」受付中!
当事務所では、育休中の時間を活かし、オンライン(Zoomや公式LINE)での相続・遺言相談を承っています。
「子どもが後ろで泣いていて、電話や対面は難しい…」という方でも大丈夫。公式LINEからのテキスト相談であれば、授乳中や寝かしつけの合間に、ご自身のペースでやり取りが可能です。
まずは「うちの場合、遺言書って本当に必要?」という素朴な疑問から、お気軽にメッセージを送ってくださいね。



